現代の苦しみ
- Dean
- 2024年11月10日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年11月17日
Contents
1.現代に生きるものたちの苦悩
2.満たされた現代人
3.失楽園
1.現代に生きるものたちの苦悩
現代を生きる人間たちは2022年統計ですが,何かしらの精神疾患を抱える人数は600万人をこえ,20年前と比較すると2倍以上の差が生まれています.かくいう私も精神疾患において適応障害の診断が下されたこともあり,まさに現代病として多くの人が苦しんでいるものといえます.
ではその根本的な苦しみの原因とは何でしょうか.釈迦が生きていた頃の原始仏教によれば,苦しみ(現代の意味とは違いますが)の原因は「無明」とされており,私見によるとこの意味は,物事を正しく理解できずに誤解している状況と説明できます.
つまり,何かに相対して正面から関わらなければいけない場合,人々はその事象に関して正しい認識をする必要があるし,誤解は苦しみを増幅させるだけになってしまう恐れがああるのです.
2.満たされた現代人
現代人は基本的に過不足のない生活を送ることが可能です.例え仕事を辞めてしまったとしても,最低限の生活ができるように法律上も事実上の制度も準備されており(セーフティネット),多くの人間は例え人生で一度リタイアしても,再奮起が可能であります.
しかしながら,このような現代的な制度は国が豊かであることを前提としており,あるいは富の再分配が効果的に作用する社会システムの存在を前提としています.
ではそこに住まう人々は楽園のような生活を送り,さぞ幸福度が高いのでしょうか.いいえ違います.
日本はOECD7カ国中幸福度が最低だとか,自殺者が多い日本が幸福なわけがないだとか,データやノンデータを使ってさまざまなことが言われますが,満たされた現代日本に住む人々は,少なくとも完璧な幸福を享受しているとそういったわけではありません.
それに,根本的に幸福の定義をすることは非常に難しく感じています.
もはや昨今の世の中では,データや事実をこねくり回して,何とかして自分たちが幸福である/不幸であると思いたいだけのように思われ,誤った事実認識をもとにドツボにハマっているようにも考えられます.
3.失楽園
ここまでお話ししてきたように,現代人は基本的に満たされた生活をし,特に日本という環境においては比較的多くの人類が過不足のない生活を送っています.
この生活は果たして我々の幸福にとって素晴らしいものなのでしょうか.昔の人々が満たされた世の中をのぞみ,彼らは実際にこの国を満たされた国へと昇華したわけですが.
ここで私が感じていることが,「現代人の苦しみとは失い続けること」であるという論調です.
現代に住む我々は満たされています.これは地球上の人口を一列に並べ,ランキング化したとしても名実ともに否定できないことでしょう.
その分,現代の人間たちは何かを得てゆくよりも失ってゆくことが機会として大きくなる.あるいは自分の責任において満たされた環境から出ていかないといけない,いわば「失楽園」の苦しみを味わっているのです.
日本財団が行った国や社会に対する意識調査によると,日米英中韓印6カ国対する調査では,(基本的にUnderestimateする国民性もありますが)この社会に対する期待や希望,あるいは自身の夢などに関する項目いずれにおいても最低の結果になっており,特に顕著だと感じる点は「人生において大切にしたいと思っていること」の質問の中で,他5カ国が一位として「家族」が挙げられているのに対して,日本は「自分の好きなことややりたいこと・趣味」という結果となっていました.
これが単純に「やりたいことをやりたい」という希望に満ちたものであれば良いのですが,少なくとも私はこれだという確信が持てないのです.
どうにも私には,「今の立場を失ったらどうしよう」「変化を起こすよりこのままの方がマシなのではないか」という,何とも悲壮な失う恐怖にされされているように感じます.
かくいう私もそうです(執筆時点).今の仕事は辞めたいけど収入をどうしようか,別にやりたいことがあるけどこれからの人生どうしようか,そういったことを考えながら失う苦しみに立ち向かっています.
当ブログを執筆しているのも,自分のメソッドが誰かの役に立ってほしい一方で,何かの資産として自分に収入をもたらして欲しいという期待も込めて乱文を描いているわけです.
失う辛さは非情なものがありますが,みなさまも何とか立ち向かっていきましょう.
Conclusion
①精神疾患で苦しむ人たちは600万人以上
②現代の苦しみは,満たされた生活を失う苦しみ
③苦しみを正しく理解して立ち向かっていこう
それではみなさん,ほどほどにがんばりましょう.
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